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僕と少年
僕は歩く
ガラスの破片が散らかった荒野の上を
渇いた喉を潤すことも太陽は赦さない
蝉が啼く 目眩がする
やがて街を覆う闇がくる
囀ずる鳥 足音がする
浮かんだ陽炎
傷だらけで弱ったこの僕を
その手は抱えて風になる
癒えない体が愛にくるまれても
まだ震えている
僕は嘆く
弱者が強者の犠牲になるこの世の仕掛けに
昔は(ヒトさえいなければ)と思った
今は…
水は揺れ 映る景色
やがて針は止まり絵図になる
咲いた花 穏やかな目
飛べない蜉蝣
炎天下で倒れたこの僕は
目を開け静かに息をする
差しのべるその手が無垢であることに
まだ怯えている
愛にくるまれていたこの僕は
爪痕を残して風にのる
差別もなく背中を撫でてくれた
その手を払ってしまった
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